第15章 副隊長、基地が大変です
「なぁ、まだ怒っとる?ほんまにごめんて…君が可愛すぎてつい言ってもうただけや…ほんまにはせぇへんから…。」
副隊長室で作業をしていると今にも泣き出しそうな顔で言われるから、笑ってしまいそうになる。
別に怒ってるわけじゃないけど、ちゃんと言わないとわからないか…。
ジャージは戻って来てからすぐ返した。
何も答えずにいると怪獣8号と呟きそのまま独り言を始める。
8号や9号のことが気になっているようだ。
私が立ち上がるとすぐに彼も立ち上がろうとするので、本当にやめて欲しい…笑ってしまう。
「どっか行くんなら僕も……ん?なに?…っ!ははっ、嬉しいわぁ。」
彼の後ろに回り抱きしめながらパソコンの画面を見ると、やはり怪獣8号の資料が映し出されていた。
「8号は…たぶん、大丈夫。」
「ん?なにが?」
「たぶん、味方だと思う。」
なんで?と横を向いた彼の唇が頬に軽く触れた。
すぐにごめんと顔を前に戻す。
そんな気がすると頬に口付けた。
彼はまた嬉しそうに笑う。
「君、最近市川と話してへんやろ。会うても挨拶だけしてすぐ離れてるん見た。僕の為?」
気付いてたんだ。
「……また、他の人として欲しくないから。」
まあこんな態度取ってたら元も子もないけど。
「…もうせぇへんから、ほんまにごめ……?」
また謝ろうとする彼の口を塞いだ。
謝って欲しくて言っているわけではないが、いつまでもうざいだろうか?
でもまだ、許してないから。