第15章 副隊長、基地が大変です
「凉、僕トレーニングルーム行くけど、一緒に来うへん?」
行く気はしないが1人にするのは嫌なので、立ち上がってついていく。
また誰かに会って行為をされたくはない。
まあ、誘われなかったら行ってないけど。
トレーニングルームにつくとジャージを持たせられたので、大人しく受け取りトレーニング機具の上に座り見守る。
専用武器を手にした彼は深く集中し、スーツなしとは思えない動きで刀を振るっていく。
あぁ、やっぱり…刀を持つ彼はかっこいい。
ん?日比野さん?
入り口の正面にいる私はすぐに、覗き込む日比野さんの姿に気付いた。
そうだ、日比野さんは…彼に報告するべきだろうか…でも前にあんなに話そうとしなかったのだ、言わない方がいいだろう。
もし彼の正体を知られれば殺処分か兵器にでもされてしまうだろう。
さすがにそれは嫌だ。
すると日比野さんは何かに恐れるように尻餅をついた。
それに気付いた彼は声をかける。
何をしてるのか聞かれた彼は8号対策だと答える。
「次遭遇したら、一発でぶった斬れるようにな。」
悲鳴を上げる日比野さんに笑いそうになってしまう。
日比野さんからしたら、副隊長に殺すと言われているようなもんだ。
5式じゃなくて6式使ってたら核ごと八つ裂きに出来たと言う彼にまた日比野さんが悲鳴を上げる。
日比野さんが8号だって気付いてるわけじゃないよね?
彼は至って真面目なようだが、揶揄ってるようにしか見えない。
2人が戦ったのは報告されている。
というか日比野さんは私が報告したとは思っていないんだろうか。