第14章 副隊長、許しません
あのまま眠ってしまったようで、目が覚めると彼がいなくて焦る。
私の傍から離れないで…。
すぐに寝室から出てリビングに行くといい匂いがして、どうやらご飯を作っているようだ。
「はよ。どうした?」
「……ん。」
走ってきた私に驚いた彼はすぐに近寄ってきて、思わず笑みが零れた。
「ふっ、笑ってるん、可愛ええな。」
頬に触れようとした彼の手を避けて距離を取ってしまうと、一瞬悲しそうな顔をする。
「好き…。」
「っ!僕も好き!愛しとる!……なぁ、僕の咥えて興奮したりした?」
彼の顔を見るとえっちなこと目的で聞いているのではないようだ。
随分と不安そうな顔をし、吐くくらいやからそんな訳あらへんよなと俯く。
胸が痛い…いつかまた、前のように彼に接せられるようになるだろうか。
このままでは仕事にまで支障が出てしまうかもしれない。
ご飯が出来るからと椅子に座るよう言われて、座ればすぐにご飯が運ばれてくる。
明日は私が作ってあげよう。
いただきますと言って食べ始めると彼はどうぞと笑った。