第14章 副隊長、許しません
ここは…って、また医療棟か。
あの後、大丈夫だったんだろうか。
レノくんは、古橋くんは…怪獣8号、日比野さんはどうしているだろう。
僅かな笑い声が聞こえそちらに目を向ける。
宗四郎が優しく微笑んでいた。
また目赤くしてる…。
「ほんまに君は、病院やら医療棟やら…好きやなぁ。お疲れ、市川も古橋も無事や。」
「よかった…。」
よかった…この命はあなたのもの…。
それから彼は私が回復するまでの数日間、毎日病室に来て仕事をしている。
副隊長室の方がやりやすいだろうに…。
「凉〜迎えに来たで!今日も可愛ええな!」
今日から私は副隊長室に戻って仕事を再開する。
今日、慰労会するねんて!と楽しそうに喋る彼を横目に書類を纏めていく。
ものすごい量の書類が溜まっていると思っていたが、どうやらほとんど彼がしてくれたらしい。
「小此木ちゃんおんねんけど…ええか?」
あ、私も行くのか。
正直まだ会いたくはないが、仕方ないだろう。
私やレノくん、古橋くんの復帰祝いも兼ねているようだから。
私まで…新人たちの飲み会だろうに…。
今まで寝て過ごしていたのに何故か明日非番なのだ。
飲みまくってやる。病み上がりだろうがなんだろうが知るもんか。
このちゃんや宗四郎を前にして素面でいれっかって…。
カタカタとキーボードを叩きながら、画面を凝視する。
あの頭がキノコの怪獣は9号と、識別番号がつけられた。
通りで私が相手出来なかったわけだ。
そのまま私は仕事を進めていった。