第13章 副隊長、私はもう要りませんか?
資料室の入り口で日比野さんに声をかけた彼は、寝るのも仕事やぞと注意する。
どうやら日比野さんは隣で戦うと約束した亜白隊長の為に、我武者羅に努力しているようだ。
私だって、彼女の為に戦うと決めた。
「ほう、それは副隊長の座を僕から奪い取るって意味にも聞こえるでぇ?」
「補佐官の座も渡しません。」
「凉はほぼ僕専用やから!」
は?いや、私は隊長と副隊長の補佐官なんですが。
確かにほとんど副隊長の補佐をしているけど…。
でも、隊長の補佐をしている副隊長を補佐しているから……って、なにごちゃごちゃ考えてるんだろ。
そのつもりで頑張りますと答えた日比野さんにキレた彼は机を叩いた。
手、痛そう…。
どうやら彼は後2時間だけ勉強を許したようだ。
「亜白隊長の隣は譲らへんぞ。」
へぇ……いや、わかっているんたけども、変な意味はないって。
でも、その言い方だとそう思ってしまう。
「それから、隊員同士仲良くなるのは程々にしといた方がええ。いつ誰に何が起きてもおかしくない仕事やからな。まあ、凉は離さへんけどな!」
めっちゃシリアスな感じだったじゃん…。
その時、ジリリリリッと警報音が鳴り響く。
怪獣が出現した。
「行くで、初任務や。」
宗四郎と共に走り出した。