第13章 副隊長、私はもう要りませんか?
「え…。」
「凉さんどうし…なんで泣いてっ!?」
メッセージアプリの通知音が鳴りすぐに確認してみると、宗四郎からだった。
君のこと好きちゃうなった、さようなら。
なに、それ…意味わかんない。
だって、この前まで私が傍にいないとダメだって…。
ポロポロと涙が零れてスマホが手から滑り落ちていく。
「あっ!凉さん、スマホが!」
どうやら、手摺りをすり抜けて下まで落ちてしまったらしい。
壊れたかな。
「行かなきゃ…宗四郎のとこに、行かなきゃ…。」
「え?副隊長がどうかしたの?」
走って副隊長室に向かう。
好きじゃなくなったってどういうこと?
ねぇ、ずっと何年も前から私のこと好きだって、言ってくれてたでしょう?
レノくんが後を追いかけてくる。
扉を開けようと手を伸ばしたが、その手はドアノブを掴むことなく空中に留まる。
女の人の声?
これ、喘ぎ声だ。
「小此木ちゃん、気持ちえっ…君のナカ、最高や…!」
は?このちゃん?
嘘でしょ…?なんで2人が…。
「小此木ちゃん、好きやで!もっと僕のこと、締め付けてやっ!」
どうして…だって、このちゃんは私の親友で…ずっと、私のこと応援してくれてて…なんでよ…。
このままここにいたらおかしくなりそうだった。
もう無理、ここにはいられない。
好きな人と親友が付き合っているのを見ていられるはずもない。
もしかしてこのちゃんもそうだった?
だとしたら私は邪魔者だ、宗四郎もこのちゃんが好きで、このちゃんも宗四郎が好きなら、私の存在なんて…。