第10章 副隊長、母に会ってください
ご飯を食べて少し休むと母はそろそろ帰ると立ち上がる。
駅まで送るとありがとう、またねと帰っていった。
「引越しせぇへん?」
「引越し?」
「ん、僕ん家に越してこうへん?ちゅーことで、君ん家行って準備しよ!」
まだ返事をしていないのに私の手を引いて電車に乗っていく。
まあ、いいか…そう思うくらいには私も彼との時間がもっと欲しいと思っている。
「凉〜、これ…なぁに?」
私の家で荷物を纏めているとニヤニヤしながら話しかけられて、プラプラと目の前にとある物を晒される。
「っ!?こっ、これは…!えっと……マッサージ!マッサージ機っ!!」
「あはははっ、確かに間違うてへんかもなぁ。どこマッサージするもん?今してみて、僕に教えてや。」
すぐにソレを奪い取って背中に隠したが、露わになった瞳が私を逃してくれない。
彼のこと想ってたまに使っていた物…。
マッサージ機と言ったが、どう見てもローター…。
「凉もそういうん使うてるんやな。ほんなら、クリ弄る時は手加減せんくてもええな。」
ニヤニヤしながらはよ使うてるん見せてやと言われる。
「今、準備してる!」
「ふーん…ならそれ、僕にちょーだいや。君より上手く使うたる。」
早くと手を出してくるので、仕方なくその手に乗せた。
受け取った彼は機嫌よく作業を再開した。
ある程度荷物を纏めて時間になってしまったので、ジャージを持って彼の家へ向かう。
持たなくても彼の家にあるが、持てるので持っていってしまおうと思ったのだ。
シャワーを浴びてジャージに着替えてから基地へ向かった。