第10章 副隊長、母に会ってください
ご飯を作ろうかなと思いキッチンに立って母に話しかける。
「お母さん、おはよ!これからご飯作るから待ってて!」
「おはよ、別に私のことは気にしなくていいのに…ありがとう。」
母は何時から起きてたんだろうか…まだ8時を過ぎたばかりなので、そんな時間は経っていないことを願いたい。
ご飯を作り始めると宗四郎が来て、母に謝りながら挨拶をしている。
2人が話しているなんとも幸せな空間の中、卵を焼いていると宗四郎の軽やかな声が耳に届く。
「結婚したい思うてるんです、ええですか?」
それ、軽く言うことじゃない…。
「え!?本当に?どうぞどうぞ、娘をよろしくお願いします。」
お母さんも軽いなぁ…。
「僕もずっと好きだったんですが、凉さんも僕のことずっと好きで…ん?」
「あんまり恥ずかしいこと言わないで…。」
後ろから手を回し口を塞ぐと頭を私のお腹に押し付けながら上を向く。
手を取られてええやんと笑われたので、髪をくしゃくしゃにしてまたキッチンに戻った。
「なにすんねんもう!せっかく君のお母さんの前できちっとしてよう思ったんに!」
どうやら髪を整えてきたらしく、くしゃくしゃにしたのを怒っている。
すぐに彼はまずいと思ったのか口を押さえて、すみませんと母に謝った。
母は仲良いのねと笑っている。