【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第17章 【R18】毒の華は華麗に咲く②
高侖が濡れた茶葉を何度も調べても毒になる様なモノは見当たらなかった。
「この茶葉の元は何処に?」
高侖が僑香に聞くと、僑香はチラッと夏潤を見た。
夏潤は茶葉が疑われている事が分かっているのか顔色が良く無かった。
「その茶葉は俺が月娘の為に買ってきたモノだ。」
その夏潤の言葉を聞いて、壬氏は夏潤を睨み上げた。
「だけど俺が月娘に毒を盛るはずが無いだろう!!」
誰よりも愛しい月娘を夏潤が殺める事など無い。
だけどそう叫んだ後に、夏潤は僑香と目が合った。
彼女の目を見て夏潤は息を飲んだ。
その目が長年側に居た幼馴染を疑う気持ちと憎悪の眼差しだったからだ。
夏潤は縋る様に月娘を見た。
月娘は薄っすら目を開けて夏潤を見ていた。
苦しそう涙を溜めて彼を見る眼差しは、憂を帯びたモノだった。
猫猫はすぐに乾燥した茶葉を調べた。
匂いを嗅ぎ、乾燥された茉莉花を丁寧に調べる。
そこに毒は入っていなかった。