【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第17章 【R18】毒の華は華麗に咲く②
「…月娘の容態が良く無かったから、体にいいモノを混ぜて貰ったんだ。」
夏潤は力無く猫猫に言った。
それは月娘に自分の潔白を訴える気持ちだった。
彼は月娘の為を思い茶葉を用意したのだ。
こんな苦しむ月娘を見るためでは無かった。
「毒物が無いのに月娘様の症状は毒の症状だ…。」
この部屋に毒物は無い。
なら考えられるのは1つ。
『毒は月娘の体内で作られた。』
薬物中毒。
その疑いが猫猫の頭の中に浮かんだ。
「月娘…。大大大か?」
「………瑞……。」
壬氏の呼びかけに、月娘は力無く答えた。
あまりに弱い声だったので、月娘の返事は壬氏にだけ聞こえた。
壬氏は月娘の状態を見て、自分が変わってあげたいとすら思った。
月娘が苦しむ事は、自分の心臓を握られるより強い胸の痛みを壬氏に与えた。
「……今日、月娘様は気付け薬を飲みましたか?」
茉莉花に混ざっている茶葉を1つ1つ見ながら猫猫は僑香に聞いた。