• テキストサイズ

【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第17章 【R18】毒の華は華麗に咲く②


「…月娘の容態が良く無かったから、体にいいモノを混ぜて貰ったんだ。」

夏潤は力無く猫猫に言った。

それは月娘に自分の潔白を訴える気持ちだった。



彼は月娘の為を思い茶葉を用意したのだ。

こんな苦しむ月娘を見るためでは無かった。




「毒物が無いのに月娘様の症状は毒の症状だ…。」

この部屋に毒物は無い。

なら考えられるのは1つ。



『毒は月娘の体内で作られた。』



薬物中毒。

その疑いが猫猫の頭の中に浮かんだ。




「月娘…。大大大か?」

「………瑞……。」

壬氏の呼びかけに、月娘は力無く答えた。



あまりに弱い声だったので、月娘の返事は壬氏にだけ聞こえた。

壬氏は月娘の状態を見て、自分が変わってあげたいとすら思った。

月娘が苦しむ事は、自分の心臓を握られるより強い胸の痛みを壬氏に与えた。




「……今日、月娘様は気付け薬を飲みましたか?」

茉莉花に混ざっている茶葉を1つ1つ見ながら猫猫は僑香に聞いた。
/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp