【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第17章 【R18】毒の華は華麗に咲く②
「月娘に触れるな!!」
壬氏は伸びてきた夏潤の手を払った。
「月娘の体は男が触れられない!」
こんな時にー。
猫猫は壬氏を睨むが、彼は至ってまともだった。
皇室から医者を連れて来る時間は無い。
「そのまま水を飲ませて何度も吐かせて下さい。喉に吐瀉物が詰まらない様に気道を確保して。寝かせないで。」
月娘の脈を測ると、随分と弱くなっていた。
「壬氏様も同じお茶を飲んだのですか?」
猫猫の言葉に壬氏は頷いた。
その瞬間。猫猫はズイッと壬氏に顔を向けた。
「っくっ薬屋っ…。」
壬氏が慌てて後退りしようとすると、猫猫はグッと壬氏の顔を両手で掴んだ。
スンー。
猫猫は壬氏の口の匂いを嗅ぐと、顔を赤くしている壬氏から離れた。
(壬氏様から毒の匂いはしなかった。)
机の上では、高侖が茶葉を調べている。
毒の様なモノは入っていない。
「うっ!!うぐっ!!…っ…はぁ……はぁはぁ。」
月娘の症状が落ち着いてきている、処置は間違っていない。
しかし毒が見当たらない。