【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第17章 【R18】毒の華は華麗に咲く②
夏潤は退屈そうに腕を組みながら部屋の外を見ていた。
西宮に入ってきて、慌てて走ってくる僑香を見て、夏潤は組んでいた腕を解いた。
月娘に何かあった。
悲痛な表情で走ってくる僑香に、夏潤はすぐに月娘の異変に気が付いた。
「猫猫!!高侖!!すぐに来て下さい!!」
僑香の一声で、すぐに夏潤達は月娘の元に走った。
「月娘!!」
壬氏の声が聞こえて、夏潤の目に入ったのは。
彼の腕に抱かれて痙攣を起こしている月娘の姿だった。
「月娘様!!」
猫猫はすぐに月娘の元に向かった。
猫猫が近づいた瞬間に、月娘は嗚咽を漏らしながら吐き出した。
「そのまま吐き出させて下さい!!」
猫猫は月娘の様子を見てすぐに毒を疑った。
毒が摂取される可能性。
すぐに机にある茶器が目が入った。
「月娘。」
夏潤がこんなに慌てる姿を見た事が無かった。
青い顔で月娘に触れようとした時に壬氏が叫んだ。