第10章 初恋的回忆〜初恋の思い出〜

そう対して興味が無さそうに月娘が言うから。

壬氏はそれだけで深く傷付くのだった。



「… 月娘は俺と会えなくなって寂しくないの？」

「……寂しいけど…。私も瑞も一生懸命に勉強する事が2人の為だって父様から言われてるわ。」

2人の為。

その言葉に壬氏の傷付いた気持ちはすぐに癒される。



「… 月娘も俺の為に頑張ってくれてるんだね。」

「え……うん…。そうよ。」



壬氏は嬉しそうに月娘の手を握るとニッコリ笑った。

月娘の後ろで僑香がまたハンカチで鼻を押さえる。



壬氏が嬉しそうにキラキラ笑うから。

月娘は罪悪感で目を逸らしたくなる。

多分自分は壬氏の半分もよく分かっていない。



「月娘は凄く詩が上手なんだってね。老（ロウ）先生が褒めてたよ。」

ギクリッ！



月娘と僑香は、真っ直ぐに壬氏を見ていられなく、思わず顔を背けた。

月娘の詞なんて、殆ど僑香が書いた様なものだ。



「月娘、俺と手紙の交換しない？」