【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第10章 初恋的回忆〜初恋の思い出〜
夏潤はすでに、この頃は月娘と添い遂げたいと願っていた。
「…………(ジー)。」
「…う……。」
返事をしない夏潤を月娘は見上げてくる。
その目は夏潤も一緒に後宮に行ってくれと訴えている。
月娘が可愛い顔をして見上げてくるから、夏潤は思わず一緒に行くと言いたくなる。
「っ俺は後宮なんて行かないし、月娘だって皇后様になれるはずないだろ!!」
顔を真っ赤にして月娘から顔を逸らして夏潤は叫んだ。
「……そうよね…、私が皇后様になるはずないか。」
夏潤に言われて、月娘はあっさりと納得した。
「月娘様は皇后様にだってなれます!!」
「いや、なれない。」
月娘をよそに、夏潤と僑香はそんな言い合いを始めた。
月娘といえば、ふと壬氏の事を考えてた。
(…あんな綺麗な子の側に居なきゃいけないなんて、皇后様も大変だ。)
壬氏は大きくなったら、そこら辺の女人より綺麗になるだろう。
今だって、壬氏は立派で顔がすでに整っている。