第6章 禁じられた遊び
綾子に促され、麻衣は生物室で起きたことを説明した。
生物室で閉じ込めりて、子供の霊が現れてからホルマリンの便が落ちてからその臭いで倒れたとのこと。
閉じ込められたのと、子供の霊が現れたのはあたしと同じだった。
「二人揃って子供の霊を見たわけね……。真砂子、まだそれいる?」
「……いいえ。いないと思いますわ」
「二人揃って……て、結衣も見たの?」
「あ、うん……」
麻衣にあたしの身に起きたことを説明すると、麻衣は驚いたように目を見開かせていた。
双子揃って子供の霊に襲われるなんて思ってもいなかった。
「……まったく。なんのために退魔法を覚えたんだか。結衣はちゃんと使えたみてぇだけど」
ぼーさんは溜息を吐き出していて、そんな彼に麻衣は『わすれてた……』と。
麻衣らしいと思わず笑ってしまう。
「まあ、二人とも怪我がないのなら問題はないな。作業に戻ろう。松崎さん、ついててください」
「おっけー」
そうして、綾子以外の皆は保健室から出て行った。
急に静かになった保健室に寂しさを覚えながらも、目を閉ざしていれば少し冷たい手が額に触れる。
驚いて目を開ければ、綾子があたしの額に手を置いていた。
「結衣、まだ痛む?暫く寝てなさい」
「うん……」
綾子は次に麻衣の方を向いて、麻衣の額にあたしと同じように手を置いた。
「麻衣は?まだ気分悪い?もう暫く寝てなさい」
「んー……」
あたしと麻衣は顔を見合せてから、綾子の袖を二人揃って引っ張った。
「……なによ、二人して」
「……ちゃんといてね?」
「……いてね?」
「いるわよ。おやすみ」
綾子に頭を撫でられてから、あたしと麻衣は目を瞑る。
眠れるだろうか。
なんて思っていたが、疲れが出ていたせいなのかあっという間にあたしは眠りについてしまった。
「あれ?」
不意に目が覚めた。
だがあたしは保健室にはいなくて、何処かにいた。
辺りを見渡していれば、神社のようなものがあって、意味ありげにお稲荷さんがある。
「結衣!」
「麻衣……!」
名前を呼ばれて振り返れば、そこには麻衣がいた。
「麻衣がいるってことは……例の夢ってことかな」
「多分」
「つまり情報を集めろってことか……」