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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第6章 禁じられた遊び


二人で行こうか悩んだが、さっさと二人別れて回収した方が早いと思って二人別れて取りに行っている。
だがやっぱり二人で行けば良かったと後悔していた。


「それか、ぼーさんに来てもらえばよかった……」


小さな声で呟きながらLL教室に辿り着いた。
LL教室は異常が見られたりしているから、余計に怖さが増している状態である。


(怖いなあ、嫌だなあ……)


意を決してLL教室に入り、カメラへと近づく。
そしてテープを取り出すためにボタンを押したが、何故か反応しない。


「……ありゃ?」


何回か押してみるが反応がない。


「……壊れた?」


もう一度押そうとすれば、懐中電灯の明かりが消えた。


「うそお!?」


なんてことだ。
懐中電灯まで壊れたのだろうかと思いながら、深く息を吐き出した。


「一旦戻ろう……、うん」


長居しても良くないだろう。
何か嫌な感じもすると思いながら扉へと手をかけて、開けようとしたが扉がビクとも動かない。


「……え?」


何度も開けようとしてみるが、やはりビクともしなかった。


「なんで……うそ、なんで……!?」


徐々にパニックになりかける。
やっぱり誰かについてきてもらえばよかったのだと後悔している時、何処からか『クスクス』と笑う声がした。


「な、なに……!?」


振り返ると、暗闇に何やら影が何体も浮かんでいた。
まるで小さな子供がいるような、そんな影にあたしは後退してしまう。


「クスクスクスクス……」

「ふふふふ……」

「クスクス……」


扉が開かない、小さな子供の笑い声。
あたしは青ざめながらも、ぼーさんに退魔法を教えてもらったことを思い出す。

そう、何のために教えてもらったんだ。
あたしは指を組みながら息を吐き出した。


「……ナウマク、サンマンダ バザラダンカン……」


真言を唱え始めると、影がぐにゃりと歪むのが見えた。


「ナウマクサンマンダバザラダンカン ナウマクサンマンダバザラダンカン……」


唱え終えそうになった時、強い音が響いた。
まるで地震が起きたかのように、下から突き上げるようなもの。

バランスを崩してしまった。
よろけながらも、また真言を唱えようとした時、抵抗するかのように誰かに勢いよく押されて壁に頭と身体を打ち付けてしまった。
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