第6章 禁じられた遊び
「……真砂子は予言も当てものも得意だったか。つまり真砂子は霊媒っつうよりサイコメトリストかもしれないわけか。霊を見てるというより、『学校』というものを通してサイコメトリーしてるかもしれない、と」
全員が腕を組んで悩む。
あたしが考えも分かるわけではないが、真砂子はぼーさんの言う通り霊を見ているわけじゃないかもしれない。
だが真砂子は『霊が見える』と言っている。
(なにが正解なのかわからんなぁ)
あたしにはそーいう力はない。
だから分からないし、ぼーさん達が言っている言葉があまり分かってない時もあるものだ。
「……まあ、頭使うのはナルに任せとこうや。っちゅーわけで、結衣、麻衣。お前らなにか感じないか?」
「いっ!?ちょっ、ちょっとイキナリそんな……」
「急に言われてもさあ!?」
「あ、谷山さんたち言ってたじゃないですか。火事がおこるのは放送室じゃないかって」
「ほんとか!?」
安原さんの発言で、ぼーさんとジョンが勢いよくあたし達に近づいてきた。
「う、え、イヤ。さっき居眠りしてそんな夢を……」
「それで!?」
結局、あたしと麻衣はぼーさん達に夢の中での事を話した。
やっぱり麻衣と二人で同じ夢を見ていて、ちゃんと同じ内容である。
安原さんは少し驚いていたけど、ぼーさんとジョンは眉を寄せながら聞いていた。
そして話し終えたころ、あたしと麻衣は顔を見合せて息を吐き出す。
「───だからね、ただの夢だってば」
「ただ、あたしと麻衣が同じ夢みただけかもだし」
「……なるほど。よし、結衣、麻衣!いい子だから寝ろ」
二つの枕をぼーさんに押し付けられる。
「ちょっと、ぼーさんっ!?」
「寝ろってなに!?」
「お前たちの夢にはぜっったい意味があるって!情報収集のためだ、寝ろ!」
「更衣室の除霊はホンマに原さんと松崎さんが行ったんです!」
「ジョンまで!?」
「ぐーぜんだってば!」
ただ偶然二人揃って同じ夢を見ただけかもしれない。
それに双子で同じ夢を見るのは何回かあったと、前にもぼーさん達には話している。
「お前ら、前回もその前にも二人揃って事件に関係ある夢見てるじゃねぇか」
「だからって急に眠れるかい!」
「目が冴えちゃってるわ!!」