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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第6章 禁じられた遊び


そういえば、ジョンと初めて会った時に教えてもらったなと懐かしくなりながら思い出した。
あたしと麻衣はあの時、真砂子を見て幽霊だと思ってしまっていたのだ。
これは真砂子には言えない。


(言ったらとてつもなく怒られそう……)


だが、あの時の態度で分かっていそう。
そう思いながら心の中で真言を呟く。


「ボク、何かで読んだことあるんですけど。霊媒には二通りあるんやないかて……霊媒とESPと」

「ああ……デイヴィス博士の論文じゃないか?」

「やと思います。博士が言うには霊媒にESP……テレパシーの能力者やサイコメトリストの可能性もあるんやないかて」

「サイ……なに?」


ジョンの話を聞いていた安原さんは、不思議そうにあたしと麻衣へと視線を向けてくる。


「サイコメトリスト、サイコメトリーの能力者」

「物を通して、それに関する過去や未来を知る超能力らしいよ」


と、誰かが言っていた。
ぼーさんかジョン、どちらかが言っていたような気がする。


「デイヴィス博士は自分がサイコメトリストやから、そういう発想になったんですやろけど……オリヴァー・デイヴィス博士はイギリスのSPR───心霊調査協会の研究者で、PKとESPと両方ができる少数派の超能力者なんです。博士の兄弟にユージン・デイヴィスゆう人がいはるんですけど、この人は完全な霊媒やと博士はいわはるんです」

「どゆこと?」

「完全な霊媒……?」

「例えば……ドイツ人の霊を呼べばドイツ語。ギリシャ人ならギリシャ語で喋る───こうゆうのはめずらしんです。霊が憑依したんやなかったら、有り得へんことですから」

「そういえば、TVの心霊特番とか外国人の霊を呼んでも日本語で喋るよね」

「逆に外国人の人が日本人の霊を呼んでるのに、言葉が外国語だったりするね」


TVとかでよく見る時『なんで?』と思うことがあった。
何故外国人の人や日本人の霊を呼んでいるのに、言語は彼らの国のものじゃないんだろうと不思議であった。


「霊媒の中には予言や当てものが得意な人もいてます。そうゆうのは霊媒ゆうよりもESPである可能性が高いんやないかて博士はいうてはるんです」
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