第4章 放課後の呪者
あたし達は会議室に戻った。
その時に、高橋さんことタカをナルは呼び出す。
彼女にナルは呪われた席の事と、陸上部に共通することは無いかと聞いた。
「えー?あの席と陸上部に共通することねえ……」
「最初にあの席に座っていたのは?」
「一学期は……忘れちゃったなあ。二学期になってからは村山さんってコ」
「いつからいつまでの期間?」
「えーと、最初の席替えが九月半ばで……うちの学校毎月十五日に席替えするのね。だから……夏休みはさんで七月十五日から九月十四日までかな」
「彼女は事故にあったんだね?いつ?」
「席替えの、二、三日まえかな」
「……犯人は七月十五日から九月十一、二日の間に机に人形をしかけたわけだ」
ナルの言葉にタカは『ヒトガタ!?なんじゃそりゃ』と小さく呟いた。
確かに理由を知らないタカには、訳が分からないことだよなと苦笑いする。
「事故がおこり始めたのが九月の半ばだから、村山さんの前の人間は関係ないだろう。彼女はこの間に犯人の恨みをかうようようなことをしてしまったわけだ。恨みを抱くくらいだ。犯人は顔だけにしろ、村山さんを知っているはず──ということは、クラスの担当では無い教師やほかの学年の生徒は除外できる」
「んなことないよ。連絡とかで知らない先生くるし、部活のことで他学年の人くるし。村山さんのとこだって……」
そこで、タカが言葉を途切れさせた。
なにか言いにくそうにしていて、それに気が付いたあたしと麻衣は顔を見合わせる。
どうしたのだろう。
そう思いながら、あたしはタカの顔を見て、麻衣が声をかけた。
「どうしたの?」
「……うん、あの……カサイ・パニックのときにね。あたしたち何度か笠井さんを教室にひっぱりこんでスプーン曲げ見せてもらってたんだけど。そんな時に村山さんが──」
『いいがけんにしてくんない?いつまでもギャーギャーうるさいのよ。超能力だって、ほんとバッカじゃない?』
「それだけじゃなくて、産砂先生にもモンクいってたって」
「……超能力に否定的だったわけか」
「あ!そういえば、陸上部もどっちかってと否定的だったよ。顧問の先生がそーゆーの信じないタイプでね。そのせいか部全体がそうだって」
その後、タカは教室へと戻って行った。
帰る際にある事を話してから……。