第1章 【弟】
「今のお兄ちゃんの事じゃないの?お友達と浮気..」
昴に抱きつかれながら、リビングへ向かった。
「ううん、違うよ昴」
と、俺は冷静にテレビをつけてみた。
たしか、浮気モノのドラマの録画があったっけかな...
家族の誰かが観てた...
「浮気っていうのは、こういう事だよ」
と、昴は俺がつけたドラマに釘付けになっていた。
ーーヨシッ!
「おっ...お兄ちゃぁんっ...」
えっなぁに昴よ?
これからお兄ちゃん、久々に、部屋で大天国タイムしようと..!
そんな事はこのいたいけな幼い弟には言えるまい。
「こっ..これがっ...浮気なのお....?」
と、昴は顔を真っ赤にさせていた。
ん?
『いやぁんっ♡ソコ触っちゃいやぁっ♡』
ーーーまずいっ!!想像以上にきわどかった!!
プツ、と俺はテレビの電源を切った。
「...ごめん昴。これは忘れてくれ」
気まずい俺の服を、昴は掴んだ。
「ね、ねぇお兄ちゃん...」