• テキストサイズ

あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第5章 嫉妬


あれから1週間経ち、関係は悪化している。

勤務時間は普通に話しているのだが、それ以外は宗四郎さんは捕まらないし、運良く話しかけられても素っ気なくされる。
私が悪いのはわかっているが、寂しい...。


元々危うい関係だったのだ。
なのにあのようなことをしてしまえば、何もなくなってしまうのは当たり前で...。


お風呂上がり廊下を歩いていると、日比野先輩と市川くんに声をかけられた。


「最近元気ないですね、大丈夫ですか?」


市川くんに笑顔で大丈夫だと答えるが、全然笑えてないと言われてしまった。

先輩がもしかして俺のせい!?とアワアワしている。
その突拍子もない行動に思わず笑みを零した。

ありがとうございますと言うと、混乱させてしまったようだ。


2人と笑っていると視線を感じてそちらを向く。
赤紫の瞳と視線が交わる。

すぐにその瞳は瞼に隠れて、そのまま視線を逸らして行ってしまった。


急いで追いかけて、背中から抱きしめるように縋り付く。


「ごめんなさいっ!ごめんなさい、ごめ......。」


「離しぃや、まだ仕事残っとんねん。」


その言葉を聞けば、離したくないのにすぐ離さなければいけない。

腕の力を弱めると、するりと私の腕から抜け出し、私のことを一度も見ずに行ってしまう。

/ 591ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp