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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第5章 嫉妬


その後の訓練中も素っ気ない態度を取り続けてしまう。
勤務時間外になると、話しかけられそうになると逃げてしまった。


みんなでトレーニングルームで筋トレをしていると、突然彼がきて、名前を呼ばれてしまった。下の名前で...。

下の名前で呼んでいるということは、断れるのではないか?


動かずにその場に留まっていると、薄く目が開かれてその視線に捕えられる。


「ほんまなんやねん、君。はぁ...もうええ。」


あ...もしかして、嫌われる?


彼は呆れたように溜め息をし、戻っていってしまう。


今すぐ追いかけて縋り付きたい衝動に駆られるが、今の状態のまま彼の傍にいても、どこにも行かないでと困らせてしまうだろう。


泣きそうになるのを堪えて、筋トレを再開した。

日比野先輩にいいのかと問われたが、笑いながら肯定した。

笑っていないと涙が零れてしまいそう。


寮に戻るとキコルちゃんに心配された。
どうしたのかと聞かれたが、私がただ嫉妬を拗らせているだけなので、言わなくていいだろう。

と思ったが、しつこく聞かれるので、話してしまった。


「あんたさぁ、副隊長にめちゃくちゃ愛されてんのわからないの?」


キコルちゃんの口振りに、何か知っているのかと疑問に思った。


どうやら、屋上であの後、彼の気持ちを聞いたらしい。
内容は教えてくれなかったが、私は相当彼に愛されているのだと言う。

だが、私も知らないわけではない。
私を見る彼の目はとても優しくて、触れる手もすごく優しくて...彼がくれる言葉はいつも私を喜ばせる。


それでも今は少し、彼から離れたい。
これからもああいうことは増えるだろう。
突然呼ばれていなくなる。
仕方ないとわかっていても私は嫌なのだ。
だから少し...私が平気になるまで、私がもう少し大人になるまで......。


明日からはあんな風に嫌な態度をとるのはやめよう。
自然に、何もなかった前のように...。


今日はすみませんでした、と宗四郎さんにメッセージを送り眠りにつく。

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