第5章 嫉妬
そろそろ終わりの時間だからと、私を抱えて訓練室を出る。
副隊長の更衣室につくと、スーツを脱がされ彼の予備のジャージを着せられた。
どうやら彼も着替えたようだ。
椅子に座っていると、口にペットボトルをつけられ、そのまま水を飲まされた。
ちょ、もう少しゆっくり...。
流される量が多くて、水が口の端から溢れる。
ペットボトルを持つ手を押すと、謝りながらすぐに口から離してくれた。
溢れた水を袖で拭いながら、もう少ししたら飯食いに行こうと言われる。
「副隊長、もう少し手加減してください...。」
「もう勤務時間外やで。......あれ以上手加減したら、僕が負けてまうわ。」
彼の目線が時計に向いたので、私もそれにつられて時計を見る。
確かにもう勤務の時間は過ぎていた。
副隊長ならスーツ着てなくても、全解放した私に勝てそう...。