第5章 嫉妬
副隊長の手が刀の柄にかかった瞬間、逆手持ちにし構える。
次の瞬間、足で床を擦りながら後ろに押され、手が痺れた。
「そんな真正面から受け止めたら、刀斬れるで。」
刀が斬れるとはどういうことだろうか。
刀は敵を斬るもので、斬られるものではない。
そのまま副隊長の猛攻が始まる。
私はそれを防ぐことしか出来なかった。
攻撃してこんかいと怒鳴られたが、どれくらいか副隊長の動きを観察し、それに慣れてきた頃反撃する為に足に力を入れる。
攻撃した後のほんの一瞬の隙に、副隊長目掛けて刀を振る。
副隊長は身を後ろに引いて躱した。
もう少し解放戦力落としてくれてもいいんですが...。
副隊長なら私より低くしても強いだろう。
その後も何度も攻撃を受けて、何度も攻撃を繰り出した。
かすり傷がつく度、小此木さんがスーツを操作してくれた。自分で出来るようにならなきゃな...。
副隊長は...まあ、無傷だ。
もう動くことも出来ずに床に座り込む。
「もう少し体力つけんとなあ。」
私の前にしゃがむと、頭を撫でてそう言う。
めちゃくちゃ汗かいてるのに...。
はぁはぁと口で荒く呼吸をしながら後ろに倒れた。
座ってるのすらきつすぎる。