第5章 嫉妬
最近、甘えすぎている気がする...。
もう少し彼から離れないと...。
もっともっとと溢れてくる欲を抑えなければ、彼を不快にさせてしまう。
彼女でもない私が、他の人のとこ行かないでと、私と一緒にいてと言ってしまいそう。
朝帰りかと呆れているキコルちゃん達と一緒に食堂に向かっていると、亜白隊長の姿を見つけ声をかける。
少し話したいことがあるのでと、少しみんなから離れたところに来た。
「あの、やはり私は除隊でしょうか?」
「保科がそう言ったのか?」
え、副隊長?
なんで彼なのだろう。
ここで1番権利があるのは隊長なのに...。
どういうことかと尋ねてみた。
「お前のことは保科に一任している。」
ん?副隊長が決めるってこと?
私を除隊にするかどうかを?
隊長はさも当たり前のような表情をしている。
どうしてか聞ける感じではないので、お礼を言って食堂に向かった。
ご飯を食べていると突然、頭を触られる感触がして振り返ると、片手でトレーを持った副隊長がいた。
立ち上がり敬礼をする。
「ちょっと遅れてもうた。隣ええか?」
周りを見渡すと、私の隣以外空いてなさそうだ。
どうぞと言って、彼が座るのを待ってから私たちも座った。
副隊長が私の隣に座ったことで、みんながちらちら見てきている気がする...。
昨日の今日だからだろうか。
やはり、少し距離を取った方がいいだろう。
このままだと気持ちを言葉にしてしまいそうだし、独占欲まで露わにしてしまうかもしれない。
「なんやお前ら、どこで飯食うてもええやろ。」
あまりにもみんなが見てくるので、副隊長が軽く睨む。
別に怒っているわけではないが、みんなが一斉に目を逸らした。