第5章 嫉妬
目が覚めて時間を確認しようと手探りでスマホを探したがあるはずもなく...上体を起こして時計を探す。
ヘッドボードの上に時計を見つけたので確認すると、4時を過ぎたところだった。
チラリと横を見てみると、私の方に背を向けて丸まって眠る宗四郎さんがいる。
私が掛け布団の上に寝てしまった為、掛けることが出来ず寒いのだろう。
いつの間にか私に掛かっていた毛布を彼に掛けた。
椅子の背もたれに私のズボンが掛かっているのを見つけ、起こさないようにゆっくり動いてズボンを手に取り履く。
規則正しく聞こえていた寝息が聞こえなくなったので、彼の顔を見てみると目が開いていた。
「ごめんなさい、起こしちゃいましたね。」
「もう行くんか?まだ一緒にいてや。」
柔らかく笑いながら私の手を引く。
宗四郎さんは少し後ろにズレて、私が横になるスペースを開ける。
手を引かれて...いや、自らその腕の中に収まった。
ギュっと抱き締められておでこにキスをされる。
「美影、好きやで......。」
「え...?」
彼の顔を見ても、目を閉じて寝息を立てているだけだった。
え、寝言?
寝言なら聞かなかったことに...。
起きて記憶がないようだったら、なかったことにしよう...。
「私も好きです。」
彼が寝ているのをいいことに言葉にして、暖かくて硬い胸板に顔を擦り寄せた。
トクン、トクンという彼の心音を聞きながら幸せを感じる。
もう寝れそうにないので、大好きな人の腕の中で大人しくしていることにした。
少し飽きてきたので、彼の寝顔を見つめる。
整い過ぎててちょっと憎らしい。