第5章 嫉妬
羞恥も何もかも忘れ、自分の手を下着の中に滑り込ませた。
「ちょっ、なにしとるんや!触ったらあかん。」
「うぅ...怪獣8号は私の大切な人なんです...だから...だからぁ......ひっ、うっぐっ...。」
触ろうとした手が押さえられ耐えられずに本当のことを言ってしまう。
泣きすぎて嗚咽も漏れてしまった。
宗四郎さんは私の腕を掴んだまま驚いて固まってしまっている。
固まっていると思ったら次の瞬間には耳をもう片方の手で触っていた。
「小此木ちゃんか、どうしたんや。」
こんな時に連絡が...。
疼いた熱を解放してもらえなくて、こんな時に他の女の人の名前を呼ばれて...いろんな感情が混ざり涙が止まらない。
小此木さんと話す宗四郎さんを見つめながら横に倒れ、腕を掴まれたまま蹲った。
すると、掴まれていた腕を解放され、かわりに頭を撫でられる。
小此木さんと何かを話しているが、ボーッとしていて何を話しているのかわからなかった。
少しの間、軽く嗚咽を漏らしながら泣いていると、小此木さんとの会話が終わったらしく、宗四郎さんが私に向き直る。
「すまん、呼ばれてもうた。」
なんで......それは緊急なの?今すぐじゃないとダメなの?
そんな言葉を飲み込み、仕事だから仕方ないと我慢した。
「戻るのが辛かったら、そっちにベッドがあるから寝てええで。」
彼が指差す方に視線を向けると、部屋の奥の方に扉があった。
いや...行かないで......。
上は胸が出たまま下は下着のままで、泣きながら蹲っている私を置いて行ってしまった。