第5章 嫉妬
彼の服を掴み頭に頬を擦り寄せ、言葉にしないかわりに、全身で好きだと伝える。
伝わったのかどうかわからないが副隊長は顔を上げ、私のおでこに頬に首に手に……キスの雨を降らしていく。
擽ったさに声が漏れそうになったので、かわりに笑みを零した。
それを聞いた彼になんや?と聞かれてしまう。
「唇じゃなきゃいいんですか?」
「……っさいわ。僕は唇のことしか言うてへんもん。」
その甘えるような口調と声色に愛しさが溢れる。
彼が私の手にキスをする光景を見ていると、いきなり指を噛まれた。
「さっきから僕の口ばっか見て……この口に何されたいんや?」
揶揄うような、挑発するような視線を向けられる。
そのまま目線は私を捕らえたまま、指を厭らしく舐め上げられた。
その赤い舌と薄く覗く赤紫の瞳に、全身が痺れて声を漏らしてしまう。
「んっ、あっ…うぅ…。」
恥ずかしさなのか生理的に出た涙なのかわからないが、私の視界を歪ませた。
「これだけで感じでるん?可愛ええな………僕のこの舌に、どこ舐められたいん?言うてみ?」
唇を耳に寄せて囁いてくる。
「やっ!?あっ、だめ……痛い…。」
「あ、すまん。怪我人やったわ。」
耳を舐められ身体が大きく反応してしまい、傷口が傷んだ。
私の頭を撫でながら離れて、心底申し訳なさそうな顔をした。
その顔を見て、大丈夫ですと笑って見せた。
そして、彼の大事なとこが膨らんでいることに気付いてしまった。
私の視線に気付き、気にせんでええと笑う。
やっぱり、男の人は辛いんだろうか。
女の私でも結構辛い。
私のあそこも湿り気を帯びている。
だが、今の身体で熱を発散させようとすると、酷く痛むだろう。
「満足出来るかわかりませんが、手でなら……。」
「気にせんでええ言うたやろ。」
優しく笑うと彼は、他にして欲しいことがないなら戻ると言って帰ってしまった。
途端に寂しくなる。
忙しいのはわかっている、だが、もっと一緒にいたい…。