第17章 宗四郎
食器を洗い終わったのか、ケーキを持ってくる。
「これ、ずっと食いたかってん!あそこのモンブラン、めっちゃ有名なんやで!」
目を開いてモンブランを見つめている…。
モンブランでも、目って開くんだ…。
彼が食べ始めるのを見てから、私もモンブランに手をつけた。
私が作ったキーマカレーよりも反応がいい。
なんか複雑…。
モンブランを食べ進めていると目線を感じてそちらを向くと、すでに食べ終わっており、私の食べる姿をじっと見ている。
え、食べにくい…。
最後の一口を口に運ぼうとすると、眉が下がった。
「ぷっ!ふふっ、はい、あーん。」
「え!ええの!?ありがとう!あー…。」
最後のモンブランを彼に差し出すと、あーんと口を開いたのでそこにそっと入れてあげる。
すごくいい笑顔でモグモグしている。
食べ終わったのか、またありがとうと言いながら私の頭を押さえつけて、ちゅっちゅと何度も口付けてきた。
「んっ、ちょ、まっ…ははっ、わかったから…もう……。」
離してくれそうもないので、諦めてされるがままになる。
機嫌良すぎでしょ…。
満足したのかやっと離してくれて、歯磨きをしてもう寝ようと言われる。
先に歯磨きをしててもらい、私はケーキに使ったものを洗った。
歯磨きをして、すでに寝室へ向かった彼を追いかける。