第17章 宗四郎
「保科、ちょっといいか。こんなところまですまない。」
っ!?
扉を隔てた向こうから亜白隊長の声がし、すぐに口を覆った。
宗四郎さんの指の動きも止まる。
「た、隊長っ!?ちょ、ちょっと待っとってください!すぐ出ますから、部屋で待っててください!」
わかったという声が聞こえ、すりガラスに映った人影が消えた。
こんなところまで…よっぽど大事な用なのだろうか。
耳元ですまんと小さく呟き頭にキスをすると、シャワー室から出ていく。
やっと触ってもらえたと思ったのに…。
あれ、宗四郎さん服持ってきてたっけ…。
扉を開けて彼を見ると振り向いて、あかん服ない、どうしよと呟く。
私が持ってくるからとシャワー室から出て急いで身体を拭き、タオルを巻いて脱衣所を出る。
私も持ってきていなかったのだ…。
副隊長室で待ってもらえばよかったのにと思った。
挨拶しないわけにもいかず、タオル一枚のまま亜白隊長に敬礼をして、宗四郎さんと私の服を持って脱衣所に戻る。
隊長めちゃくちゃ驚いてた。
心の中ですみませんと謝った。
「ほんまごめん、ありがとう。」
いいから早く着てと服を渡す。
彼が下着やズボンを履いている間にインナーを持って襟元を開き、頭を通してきた彼に着せた。