第16章 10号
未だにわいわいと話しながら食べている同期たちの元へ行き、手招いてくれたあかりちゃんの隣に座ると、一気にみんなの視線が集まる。
結婚するのかと聞いてきた。
「う、うん…付き合い始める時から決まってたし…。」
みんなの勢いに少し引いてしまう。
いつから付き合っていたのかとか、家に行ったことはあるのかとか、2人っきりの時の彼はどんななのかとか、いろいろ聞かれた。
私はみんなの話が聞きたいのに…。
お義兄さんのことまで聞かれた。
宗四郎さんに似ていてイケメンなのかと。
「そっくりだった…保科隊長の方がちょっときつめの顔、というかキリッとしてる?んだけど、すごい似てる。特に目が。」
お義兄さんも開眼するのかなと盛り上がっている。
開眼したとこ見たことないかも…。
そんなことを話していると、いつまで話しているのかと肩に手を置かれた。
振り向いて見上げると、微笑んだ宗四郎さんがいる。
「そろそろ美影返してくれへんか?僕も話したい。」
話したいって…いつも話してるじゃん…。
まだ時間があるので、副隊長の話も聞かせてくださいとみんなが目を輝かせる。
そんなに聞きたいもんなの?
んーそうやなぁと言いながら、後ろから私の肩を抱き、頭に顎を乗せる。
みんなの前でなんてことをしてくれるのだ。
何を聞きたいのかと彼が聞くと、みんなが私は同期の中ではお姉さんだから、甘えてるのかと聞いている。
それは…やめてくれ。
いつも甘えまくっているのがバレてしまう。
私はお姉さんなんだ、イメージが…。
昨日、あかりちゃんとハクアちゃんには甘えてるとこ見られたけど。