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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第13章 指輪


手を洗って戻ってきてベッドの上に乗った彼に、なにしてるん?と聞かれる。


「ごめんなさい…。」


「僕も嫌なことしてごめんな?おいで。」


頭を撫でられたので、怒ってないのと問えば、怒ってへんよと笑ったので、彼に促されるままベッドの上に戻る。

セーフワードを決めてるのにそれを言わずに泣いて嫌がったのに、どうして怒らないのだろう。


バスローブを脱がされて裸のまま抱き合うと、そのまま彼の腕を枕にして横になる。


「ねぇ、もうほんとにしないの…?」


「んー…美影がしたいならするで?でも、優しく出来へんやろうから、僕のこと嫌いになるんちゃう?」


あ、これ…怒ってる。

嫌いにならないって言ったのに…。


激しく求めれるのは嬉しい。嬉しいけど…気持ちよすぎて怖くなっちゃうから……それを伝えようと思ったけど、先程拒否したことは事実だから、どうしていいかわからなくなる。


付き合うの初めてだから、もうどうしたらいいのか…。
一度別れて他の人と付き合って経験を積んでから…いや、宗四郎さん以外と付き合うのは絶対嫌だし…。

マイナスなことをグルグルと考えて、胸がモヤモヤして苦しい。


付き合えて嬉しいはずなのに、付き合う前の方がよかったって思ってしまう自分もいる。
あんなに辛かったのに…。


すると彼が、明日の挨拶を中止にするかと聞いてきた。

私を家族に会わせたくなくなったんだろうか。


ここで、嫌だと好きだと甘えても、きっと彼を嫌な気持ちにするだろう。

というか、もう甘えられたくないだろうか?


全部、嫌な方向に考えてしまう。

何を言えば正解なのかわからない。


これからのことをもう少し考えようと言われて、一度えっちを拒否することはそんなにも大きなことなのかと、グルグルと考えてしまう。

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