第13章 指輪
肩を押され離れるとそのまま抱えられ、頭を枕の上に乗るように運んで、私の腰跨ぎ顔の横に手をつく。
「ほんまにしたくないん?」
眉を下げる彼を見ていれば申し訳なくなってくる。
でもこれからする度こんな風に激しくされるのは嫌だ。
激しくされると、訳がわからなくなって何にも考えられなくなって、イき続けておかしくなる。
それが怖くて、泣くのも嫌だ。
宗四郎さんとはしたい。したいけど…宗四郎さんは激しくしたいみたいだし…。
セーフワードも決めてるし、受け入れるしかないのかな…。
黙っていると、したくないならもうええと起き上がる。
どうしよ…やだ、ほんとはしたい。宗四郎さんに気持ちよくされたい。
したいとボソッと呟けば、もうそないな気分じゃないと言われてしまった。
今回は我慢すればよかった…。
泣いちゃダメだと思うのに涙がボロボロ零れてくる。
きっと、泣きたいのは宗四郎さんの方なのに…。
彼は手を洗いに洗面所の方へ行ったようだ。
ベッドから降りて隠れるように蹲った。
洗面所の方とは反対側なのでベッドに上がらなければわからないだろう。
絶対怒ってるから、怒りが収まるまで彼の目に映りたくない。