• テキストサイズ

あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第13章 指輪


あの後、必死で頼み込んで、数日だけ鳴海隊長に訓練に付き合ってもらうことができ、ほんの少しは強くなれたんじゃないかと思う。


今は飛行機に乗って、私の肩で眠る愛しいを眺めている最中だ。
まあ、頭頂部しか見えないが。


「ん〜おっぱい好きや。」


「は?」


いきなり何を言い出すのかと思い反応してしまった。
寝言だったらしい。

どんな夢を見ているのか……というか、寝言とか言うんだ…可愛い。


宗四郎さんの奥の窓を眺めたが、自分の顔しか見えなかった。
星を見れるかと期待したのに…。


勤務を終えてすぐに出発したので、今は夜なのだ。

夜遅くに彼の実家に伺うのは気が引けるので、今日はこのままホテルに泊まる。


機内モードに設定してあるスマホを開き、2人で撮った写真を眺めた。

本当にこの真っ赤な宗四郎さん好き。


「まーたそれ見て。あんま見んといてや。」


「あれ、起きてたの?」


どうやら、私がスマホを開く前から目が覚めていたようだ。


私のスマホを勝手にスライドして、保存されている画像を見られていく。

保科宗四郎と検索して保存した画像なども出てきて焦ったが、何も言って来ないので、胸を撫で下ろした。


他にはキコルちゃんたちと撮ったものや、同期たちと撮った写真がある。


スライドをしていた指がとある写真で止まる。


「これなんや?」


「んー?えっと…これ、鳴海隊長と撮ったやつかな。お母さんが私のスマホに送ってくれて…。」


10年前の写真だ。
鳴海隊長に抱えられた私がカメラに向かって笑顔でピースをしている。


「あっ!?ちょっと!!」


「っるさい、あんま大きい声出したらあかん。」


はっとして口を押さえる。


宗四郎さんが何も言わずに削除ボタンを押したのだ。
声を出してしまうのも仕方ないだろう。

まあ、削除ボタンと言っても、ゴミ箱に移動しただけだが。


「僕との写真2枚しかないな。もっと撮ろな?」


うんと言って、彼の頭に頬を乗せた。


そういえば亜白隊長から送られてきたものがあったなと思い、後で保存しようと考えた。

/ 591ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp