第12章 識別怪獣兵器10
その後、小此木さんと少し話し、私はもう第1に戻らないといけない。
小此木さんは何も聞かなかったことにしてくれたらしい。
ただ、お疲れ様ですとだけ言ってくれた。
亜白隊長に戻ると挨拶をしてから外に出た。
「美影、好きやで。もう不安にさせへんから。」
「うん、私も不安にさせない。好き…。」
彼の肩に頭を預け擦り寄れば、背中に手を回して抱きしめてくれる。
顔を上げて頬に口付けすると、親指と人差し指で顎を掴んで上げられ、唇が触れる。
唇を舐められれば簡単に隙間を作って、彼の舌を受け入れてしまう。
舌を激しく絡められ、酸素が薄くなる程に翻弄された。
ここでこんなキス…彼が欲しくてたまらなくなる。
でもその欲を抑えて、身体を離した。
おでこにちょんと触れれば、なんやと笑ってお返しされた。
首がぐわんと仰け反ったので強すぎると思うが…。
またねと言って基地から出ようとすれば、腕を掴まれ引き戻される。
「もっかいちゅーさせてや。」
そう言うや否や、すぐに舌が絡んで、苦しい程に抱きしめられた。
第6に行く時一緒に行くなら、またすぐ会えるのに…。
ゆっくりと名残惜しそうに唇が離れる。
「一瞬だけ頼む。ほんまに一瞬やから。」
なんのことかと思い首を傾げれば、抱きしめている手を片手だけ離して、胸を揉まれた。
こんなとこで何をするのだ。
すぐに振り払おうとしたが、ありがとうと言って額にキスをし身体が離れた。
今度こそ本当に立川基地を後にした。