第12章 識別怪獣兵器10
「こんっの、えろ怪獣!いや!えろスーツ!!私が斬り裂いてやる!!」
10号への怒りが爆発してしまった。
すぐに刀とナイフを構え、宗四郎さんの胸の目を捉える。
「6式…。」
「美影っ!?ストップや、ストップ!僕も死んでまう!!」
たぶん大丈夫、多少は宗四郎さんも傷付くかもしれないが、死にはしないだろう。
「八重討ち!」
すぐに宗四郎さんは…いや、10号はしっぽを使って上に跳んだ。
どうせ、私も八重討ちを発動出来なかったが。
まだ、6式は一度しか成功させていない。
全然成長出来ていないなと、肩を落とした。
降りてきた宗四郎さんは、ふぅと胸を撫で下ろした。
とりあえずこいつはうるさいから脱ぐと、小此木さんに連絡を取る。
ジャージの上だけを羽織り、訓練室を出て行こうとする彼の後を追った。
「それ、逆にえろいから脱いでや。」
なんのことかと思い首を傾げると、羽織っていたジャージを奪われ、宗四郎さんが着た。
いや、丈合ってませんが?袖短過ぎて手首まで出てますよ?
小さいなあと笑っているが、脱ぐことはしないらしい。
一度宗四郎さんと別れスーツを脱ぐ。
ジャージ返してもらうの忘れた…。
ピチッとした黒いインナーのまま彼の元へ急ぐ。
ちょうど、10号が置かれている部屋から出てきた宗四郎さんは私のジャージを手にしているので、声をかけると、肩にかけてくれた。
すぐに袖に手を通してファスナーを上げながら、オペレータールームに向かう彼を追いかける。
追いついて手を握れば、指を絡めて握り返してくれた。
「ねぇ宗四郎さん、第6に行く前にあと1回だけでも会える?」
「そうやなぁ、僕もその時ついて行こう思うとんねん。」
ついてきてどうするつもりなのか…。
1日非番にしてもらって実家に行き、すぐに戻ると言う。
「一応、家族になる人見てもらわな。」
やから、ついてきてと振り返って微笑む彼に驚いたが、すぐに首を縦に振って答える。