第12章 識別怪獣兵器10
どうやら、まだ言い争っているようだ。
本当に漫才スーツ…。
というか、あれで実戦運用出来るの…?
「激しく犯したいという欲がダダ漏れだぞ?」
宗四郎さんは頭を抱えた。
10号が言っていることは本当なのか?
何も聞かなかったことにしてくれと顔を伏せたままの彼が言う。
本当なんだ!?
途端に顔が熱くなる。
小此木さんに少しプライベートなことを話しますと断りを入れ、彼に近付き頬を撫でてこちらを向かせる。
「今すぐこいつをぶった斬りたい…。」
「そんなこと言わないで?きっと、宗四郎さんの力になってくれるはずだから…。」
激しく犯したいということはとりあえず置いといて…。
と思っていたのに、宗四郎さんが嫌われるから言いとうなかったとしょぼくれる。
嫌うわけないのに…。
どんな宗四郎さんでも好きだよと伝えれば、激しくしていいんか?と顔が明るくなる。
いや、そういうことではないんだけど…。
10号が嫌われる保科も見てみたいと茶化すので、黙らそうと思い殴ってしまった。
すぐに謝り、胸を擦る。
強く殴り過ぎだと苦しそうに言う彼に全力で謝った。
「とりあえず!激しくお、おか……するとかは置いといて!嫌ったりしないから、そんな顔しないで?」
「じゃあ…ちゅーしてくれん?」
は?いや、今出来るはずないし。
この会話ですら、小此木さんたちに聞こえてるのに。
ここの映像も見ているのだ、出来るはずもない。
してくれへんの?えろいことばっか考えてる僕とはしたくないん?と色々と面倒臭いことを言ってくるので、頬に口付けた。
どうやら、これでは満足してくれないらしい。
そんなん誰でも出来ると、頬を両手で挟むように固定された。
ま、待って、本当にする気?しかもそっちから?
そんな無理やりしても意味ないでしょ…。
頬を掴む手を少し力を入れて掴むと、すぐに離してくれる。
一瞬だけ唇を触れさせた。
「好きや。ほんまにありがとう。……食ってまいたい。」
抱きつかれて、そのまま肩を噛まれた。
食うってそのままの意味なのか…。
「スーツ越しでもわかるぞ。相当柔らかいな。」
宗四郎さんを引き剥がし、思いっきり胸を殴ってしまった。