第9章 決断
そのまま基地に戻ると思っていたのだが、基地の最寄り駅で電車を降りたが、その足は基地へと向かない。
「どこ行くの?」
「今日は帰さへんよ?…ゆうても帰るんやけどな。基地ちゃうけど。」
その言葉に首を傾げながら、手を引かれるのでそのままついていく。
とあるマンションにつくとそのまま中に入っていく。
エレベーターで指定した階に止まり、部屋の鍵を開けて入っていった。
僕ん家やと行って私の手を引き、ソファまで連れて来られた。
寮に入っているのは新人だけなので、宗四郎さんには住んでるところがあるだろうと思っていたが、全然帰っている雰囲気はなかったので、まさか家に連れて来られるとは思っていなかった。
「なぁ、一緒に風呂入りたいんやけど、美影シャワーやないとあかんよな?僕とシャワー浴びひん?」
私は手術したばかりなので、お湯に浸かるのは控えるよう言われている。
なので、宗四郎さんはお湯に浸かって私はシャワーを浴びさせてもらうと言えば、じゃあ一緒に入ってやと言われる。
どうやって一緒に…?
「僕が浸かってる時にシャワー浴びてや。」
なるほど、そういうことか。
首を縦に振れば、途端に明るくなる顔。
すぐ沸かしてくると言って駆けて行く。
その姿を見送ってソファにボーッと座っていると、後ろから抱きしめられて耳元で名前を囁かれた。
本当にすぐだった…。
どうしたのかと問えば、この家に私がいることが嬉しくて仕方ないようだった。
一緒に住めるようになったらもっと広いところに行こうと楽しそうに話している。
ここも充分広いと思う…。
「っ…んぅ…ふふっ、ちょっと…擽ったい…。」
「僕のおっぱい支えてくれとうここ、労わってやらんとな。あんま猫背にならんようにな?そのせいで凝っとるんよ。」
胸の重みや胸が強調されないように無意識に猫背になっているらしく、それを指摘されてしまった。
首筋から肩を撫でられ擽ったくて、肩を上げて首を傾けて身体を捩る。
揉むのにどうしてそんな風に撫でるのか…私の反応を見て楽しんでいるようだった。