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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 決断


食べ終わって食器を片付けてからソファに座ると、宗四郎さんは真剣な顔になった。

付き合い始めたことを先に話し、少し間を置いてから続ける。


「この仕事を続けていれば、何度も彼女を不安にさせてしまうかもしれません。それでも僕は彼女と一緒になって、この国を守りたいです。そして、彼女を守り続ける為に、負けたりはしません。」


宗四郎さんがそう言うと母は立ち上がりついて来いと言った。

そのままついていくと、私が防衛隊員になるまで毎朝通い続けた部屋に辿り着く。


写真の人物を見て彼は少し目を開いた。
私の父だ。


母が彼を座らせると、彼はすぐに手を合わせた。


「お父さんね、2人のことを溺愛してて……美影が選んだ人がもしあなたじゃなければ、猛反対したでしょうね。」


母はそう言って笑った。
娘をよろしくお願いしますと…。


「必ず幸せにします。美影だけじゃなくて、お義母さんや美陽ちゃんのことも、何よりも大切にします。」


隠れていた瞳を露わにし母を見ていた。

父の写真の前に座る彼を後ろから抱きしめて涙を流す。


「ありがとう…嬉しい…。」


肩に顎を置いた私の頬を撫でて、なんで泣いてるんと笑う。


一度ソファに戻りこれからのことを話す。

まだ、いつ婚姻届を出すかは決めていない。
それでも私たちの気持ちは変わることはないだろう。


このタイミングで母に話したのは、これからその時間を取れるかわからないからだ。

第1部隊に異動になることと、その後第6部隊に行くことを伝える。


その後は他愛もない話をしてから私の部屋に戻った。
少し休んだら出ようと思う。

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