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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 決断


「僕、美影にいっぱい金使いたいねん。好きな女、僕色に染め上げんねん。」


嬉しいのやら恥ずかしいのやらで、俯いて黙ることしか出来ない。
母の前で何を言ってくれてるの…。

母まで顔赤くなってるし…。


しばらく沈黙が続いたが、母が何かを思い出したように立ち上がった。

キッチンに消えた母は少しするとすぐに戻ってきて、何のお構いもなしすみませんと謝りながらお茶を出す。

私も、宗四郎さんが家にいるということにドキドキし過ぎて忘れてしまっていた。

こんなんで宗四郎さんのご実家に行った時大丈夫だろうか…。


彼はありがとうございますと言いながらお茶を口に運んだ。


母がこんな時間だし、お菓子じゃなくてご飯を食べていかないかと聞いてきたので、この後食べに行くと断る。


「もし、予約とかしてないんだったら、美影作ったら?副隊長さんも美影の料理食べたいんじゃないかしら…。」


別に私の料理よりお店の美味しいものを食べたいだろうと彼を見れば、目を開いて期待しているというように輝かせていた。


「うっ…つ、作る……。」


作ると決まれば、もう作り始めなければいけないだろう。
遅くなってしまう。

料理は人並みに出来る、という程なので緊張するが…。


早く作ろうと立ち上がると、母がご飯を食べてからお話しましょうと言ったので、それに頷いてキッチンに向かう。

冷蔵庫を開けて何があるか確認してから、鶏肉があったのでチキン南蛮でも作ろうかなと調理を始める。


鶏肉を揚げながらタルタルソースを作り、出来上がったものをサラダと一緒に4枚のお皿に盛り付けた。

簡単な副菜を作り、温めていたスープに溶き卵を入れて卵スープを作る。

全て盛り付けてテーブルに運んだ。


妹も作っている間に帰ってきたので一緒に食べる。


上手く出来ているか気になりすぎて、隣に座り食べようとする宗四郎さんの顔をまじまじと見つめていると、食べにくいからそんな見るなと言われてしまった。


「ははっ、やばっ!めっちゃ美味い!美味すぎて笑てまうわ。」


あまり手の込んだものは作れなかったが、すごく喜んでくれているのでよかった。


「結婚したら毎日こんな美味いもん食えるんかな…。いや、さすがに毎日は作らせんけど。」


その言葉に微笑みながらご飯を食べ進めていく。

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