第6章 慰労会
先輩は尻餅をつき、私はあの時のことを思い出し、恐怖で固まってしまう。
私たちに気付いた彼はまた遅くまでやっていたのかと言う。
それに先輩は副隊長こそ…と返す。
「あぁ、8号対策や。次遭遇したら一発でぶった斬れるようにな。」
刀を強く握り見えた瞳は、野心を宿していた。
それに先輩は声にならない悲鳴を上げ、震え上がっている。
宗四郎さんはそのまま恐ろしい言葉を続けていく。
「そもそも美影が邪魔しとらんくて、5式やのうて6式使ってたら、核ごと八つ裂きに出来たわ。」
「「ぎゃああああ!!」」
八つ裂きにされる先輩を想像し、2人でワナワナしながら悲鳴を上げた。
ビビりすぎやろと言われてしまった。
すぐに真面目な顔になった宗四郎さんは、普通の隊員の手には負えないという。
「恐らく9号も近しい力を持ってる。せやから、僕がやらなあかん。」
彼が副隊長として、どれだけの覚悟を持って戦っているのか、示された気がした。
いやでも…8号は私の大切な人って言ったの忘れてません?
「いくら僕の大切な人が嫌や言うても、怪獣は倒す。」
視線が交わる。
8号の正体を言えない以上、仕方がない。
先輩には上手くやってもらわねば…。