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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第6章 慰労会


大浴場を出て寮の部屋に戻るとキコルちゃんに、今日も行くのかと問われた為、今日は約束してないと返す。

なので、資料室で勉強しようと思う。

キコルちゃんたちにそう伝え、筆記用具等を持って資料室に向かった。


資料室に電気がついているので誰だろうと思ったが、一人しかいないなと思い覗くと、思った通りの人物がいた。


「おう、三浦か!最近来てなかったな。」


声をかけると明るく返してくれるのは日比野先輩だ。

先輩は宗四郎さんとのことをあまり聞いて来ないので、一緒にいるのが楽なのだ。

それに、前職からの付き合いもあるので、同じ空間で無言でいても、何か話さなきゃと焦らなくていい。
私は先輩にとても心を許しているのだ。


2時間程経っただろうか、先輩が伸びをしながら欠伸をしたので、私にも移ってしまい、そろそろ終わりにしようと2人で資料室を出ると、トレーニングルームから光が漏れているのに気付く。

まだ誰か残っているのだろうかと2人で覗いてみると、ジャージを脱いだ黒いインナー姿の宗四郎さんがいた。


空気がすごく張り詰めていたので声はかけられずに、先輩と2人で彼の姿を見つめる。


宗四郎さんはどんどん集中力を高めていき、刀を構えて息を吐く。

その姿に私は目を奪われ息をするのも忘れて見つめていた。


宗四郎さんが纏う空気が変わり、足に力を込め踏み込むと、刀を火花が散る程床に擦り付けながら攻撃を繰り出していく。

彼は見えない敵を斬り裂いていった。

見えない刃の斬撃を繰り出す動きをし、前に出て刀を横に振り斬り裂く。


これって……先輩も気付いているようだ。

そう、先輩…怪獣8号と戦った時と同じ動きなのだ。

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