第6章 二人?でアオハル
呪力を手に集中させる練習を始めて一週間が経っていた。
「んんーーーーっ!」
「違う違う、それは力入れてるだけ。」
今日は悟さんが見てくれている。
基本は家で呪術についての本を読んだり、自分で呪力を操る練習をコツコツしていた。
たまにこうやって、悟さんや傑さんに暇な時に見てもらっていた。
「こう…呪力に集中して…」
「んーーっ!」
私は自分の手を見つめ、呪力が手に来るよう意識した。
「!!!」
「はいっ!」
「センスない!!!」
「……!?」
ショック!
「あの悠仁なんて一瞬だったよ!」
「…はぃ。」
「まぁ悠仁の場合はちょっと特殊なのと、センスがありまくったんだけどね。」
「虎杖くん、優秀なんだね。」
「僕の教え子はみんな優秀さ。」
「わたしは?」
「……。」
悟さんは私から視線を逸らし、携帯を弄り始めた。
ーー…そんなセンスないのかなー。
「急に能力覚醒して、今頃手から呪力ぶっ飛ばしてバンバン呪霊倒してる予定だったんだけどなー。」
「くくくっ。」
肩を振るわせる悟さんを私は睨みつけた。
「まぁ、人の成長速度は人それぞれだよ。まだは呪力を感じられてない。自分の呪力を理解して、一度感覚掴んだらあっという間さ。」
私は自分の手をぎゅっと握りしめた。
「あ、そうだ。悟さんも手に呪力集めてみて!」
「ん?こう?」
私が一週間かけても何にもならないことを、さっとやってのけた悟さん。
手に青い綺麗なオーラが見えた。
呪物の眼鏡をくいっとあげて見つめた。
傑さんとは違う、禍々しいオーラだ。
濃いーー…
そっと手を伸ばし触れた。
「冷たい。」
「ん?」
「キンっと冷えた様な尖ってる感じだね!」
「なーにそれ?」
「なんか触れたらそんな感じがするの!傑さんはポカポカしてた。」
「へー。そういうのには長けてんだな、。」
そう言って、触れてた手を撫で、指を絡めてきた悟さんに私は一歩引いた。
「へ、変な触り方しないで。」
「そっちが触ってきたんでしょ?えっち。」
爪でつーっと手のひらを撫でられ、私は顔が熱くなった。