第6章 二人?でアオハル
私と傑さんは高専の稽古室にきていた。
京都から帰ってそのままここに向かったのだ。
道場のようなところで広くなっていて、二人で使うには広すぎなような気もした。
「よ、よろしくお願いしますっ!」
「はは、そんな固くならないで。まずは軽くするだけだから。」
そう言って傑さんはポケットから何か取り出した。
「…これは?」
「六眼ほどじゃないが呪力や呪霊が見えるようになる眼鏡だよ。」
「そんなものが!」
「呪物だ。ーー…ただに見えるかどうか。その体質のせいで効力が消えてしまわないか少し心配してる。」
「あ、そっか。」
「ちなみにこれひとつで1億はする。」
「ぎゃっ!!」
私は伸ばした手をひっこめた。
私が触れることで、効力が消えたら一億の価値がなくなるってことだ。
「…どうする?」
私は首を振った。
そんな大金もってない。
「…ふ、触れなくても見れる?」
「あぁ、その手があったか。」
傑さんはメガネを開いて軽く持つと、私の方に差し出したので、私は自分の顔をそっとむけた。
レンズに近づくーー…。
「今、私の手に呪力を集めている。」
「み、見えますっ!見えます先生っ!」
「ははっ、よかった。じゃあかけてみる?」
「んでも、効力が消えたら…私、一億も持ってないよ。」
「消えたら、学長に一緒に頭を下げにいこう。」
学長さん…。
ここは学園なのだろうか、高専とだけ聞いていたから校長先生なのかと思っていた。
私は恐る恐る手のひらをだした。
傑さんの手から私の手のひらに置かれる眼鏡。
「かけてみて。」
「うん…。」
私はまんまるのレンズの形をした眼鏡をかけた。
「わぁぁ…」
傑さんの手からふわっとした、何かオーラのようなものがみえた。
「見えるみたいだね。の体質は呪力を無効化するわけではないから、きっと大丈夫だとは思ったけど、呪物だからちょっと心配してたんだ。」
「これが呪力?」
私は傑さんの手に集まっている優しいオーラのようなものに手を伸ばした。