• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第5章 二人でアオハル


「人には呪力がある。それを見てるよ。」
「呪力だけ見えるので、歩けるの?物にぶつからないの?」

私の次々出てくる疑問に、悟さんは肩を震わせた。

「あ、ごめん。バカっぽい質問だった?」
「いや?新鮮だった。」


悟さんはポケットから手を出して、私の右手に指を絡ませて歩いた。
手を繋いだのは初めてで、私はびっくりした。

きっと鼓動は高くなって悟さんに伝わっているだろう。


「人からでた呪力は残るからね。残穢として。物にもそれは残る。とても小さくても少なくても僕の目にはみえる。」
「ふーーん。私のはそれで白いって言ってたの?」
「そうだね。だれの呪力かもわかるよ。のはピンと糸を張ったように綺麗な呪力だ。少ないけどね。」

「すごいね、悟さん。」
「だろ?」

にかっと笑う悟さんの髪の毛に街灯の光が反射して、とても輝いて見えた。

ヒソヒソと周りから聞こえてくる声。
これだけ背が高くて見目がよければ、目立つよね…。



「といると、静かだ。」

ふと、悟さんが言った。

たった今、周りからヒソヒソ言われるなーって思ったのに、悟さんからしたら静かな方なのかもしれない。


「女避けになってる?」
「違う違う。そうじゃない。呪霊たちがまったく近くにいないんだ。」
「そうなの?」
「あぁ。今まではは五条家の屋敷と高専の結界内にいたから、元々呪霊が近くにいなくて気付かなかったけど、ここまで綺麗に避けられるのは初めてだな。」
「でも、“最強の五条さん”にも近寄らないんじゃない?」
「近寄らないよ?遠巻きにじーーっと見てくるけど。」
「はは。」

見られるのはなんか嫌だね。って言うと、悟さんは顔をしかめた。


「でも今は視線すら感じない。静かもんだ。」
「よかった。なら、のんびり歩けるね。」

私が悟さんの絡められた手をぎゅっと強く握り返すと、笑って頬にキスをしてくれた。

/ 423ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp