第5章 二人でアオハル
「あれ、今回はカード使わないの!?」
「決算の後の方がお金たくさんあるから、その時に使うー。」
「傑!止めて!!何この子!怖いんだけど!」
荒れ狂う悟さんにくくっと笑いながら傑さんは私を見た。
「どこでやってたんだ?」
「やってないよ?見てただけ。私YouTubeのゲーム実況よく見てたから。」
「それだけ?」
「それだけだよ。見てた人みんなうまくて強いからなんとなく同じようにやってるー。」
「それを覚えてるオタクめ!!」
私が五条家の屋敷で見てたのは、悟さんもよく知ってるはずだ。
「オタクだもん。さー、もうすぐ次の目的地で3回目だよー。」
「くぅ!!」
私たちの会話にくくっと笑いながら、傑さんは何かに気付いたのか、部屋の外の方へと視線を向けた。
「あの子達かな。」
そう言って廊下の方へと歩き出した。
ドアに耳をあて、聞き耳をたてている生徒三人が夏油さんに見つかる少し前のお話。