第5章 二人でアオハル
夕食30分前。
虎杖と野薔薇と伏黒は、虎杖の部屋に集まっていた。
「なぁ、さんって五条先生と付き合ってんのかな。」
虎杖の質問に伏黒は鼻で笑った。
「ねぇだろ。さすがに、アレだぜ?さん非術師で常識人っぽいし、さすがにアレは選ばないだろ。」
「確かに、先生顔はいいけど性格がね。」
伏黒と野薔薇が五条に対して散々なことを言うのに対し、虎杖は納得行かなそうに続けた。
「うーん、でもやっぱり付き合ってると思うんだよなー。」
「なんでよ。」
「なんとなく?」
こう言う時の虎杖の勘はよく当たる。
「偵察よ。」
「まじかよ。やめとけって。どこの部屋かもわかんねぇし。」
野薔薇の提案に伏黒は首を振った。
しかし野薔薇は、ニヤリと笑って続けた。
「509よ。さっきさんの手のカードキー見たから。」
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「みて。ここの部屋のドアの感覚。」
509の部屋の前で、野薔薇がささやいた。
変な気配や声で、五条にはすぐバレるだろう。
最新の注意を払って、3人は身を縮めていた。
「なんだよ。」
「馬鹿ね、虎杖。よく見なさい。ドアとドアの感覚が私たちのところより広いわ。」
「…まさか。」
「気付いたわね?伏黒。そう、ここはシングルの部屋じゃない。ツインかダブル以上。二人はここにいるわ。」
ごくり。と、唾を飲んだ。
やはりここには二人でーー…。
ドキドキとしながら、ドアに耳を近づけた。
ガチャ。
「何をしてるんだ。」
出て来たのは夏油だった。
「げ、夏油さんっ!」
虎杖は驚いた。
てっきり、五条とが二人でいるもんだと思っていたのに、出て来たのが夏油だったからだ。
「あれ!?じゃあ、さんの彼氏って夏油さんだったの?」
「…。」
野薔薇の言葉に、夏油は特に何も言わなかった。
呆れてものも言えない状態だ。