第5章 二人でアオハル
郊外のホテルに着くと、私たちはフロントで荷物を持って悟さんが、チェックインしているのを眺めていた。
「はーい、一人一部屋ねー。はいカードキー。」
悟さんは生徒一人一人にカードキーを渡していく。
「メシは18:30からここの最上階ね。それまでは好きにしていーよー。夜も子供らしく過ごすよーに。」
適当に言うと、五条はエレベーターのボタンを押した。
全員5階フロアの部屋のようだ。
「あれ、悟さん。私のカードキーは?」
「んー?」
エレベーターに全員で乗り込んで上に行く途中、私が尋ねた。
「僕と同じ部屋。今夜は…寝かせないよ。」
壁に押し付けられ。顎に手をかけられた私は、おどろいて悟さんを見上げた。
「きゃーーーー!」
と、叫んだのは私じゃなくて顔を赤くした虎杖くんだった。
「きっも!!!先生、きっもい!!」
おえっとする野薔薇ちゃんに、ドン引き顔の伏黒くん。
「やめろ、悟。何言ってんだ。教育上よくない。」
傑さんに言われ、私も大きく頷いた。
「本当に何言ってるんですか、先生。馬鹿なこと言ってないで、早くカードキー。」
「ちぇ。」
冗談だとはもうわかりきってる。
さすがに生徒の前でそれはないだろう。
受け取ったカードキーを片手に私は悟さんを呆れた顔で見つめた。
チーンと音とともに5階に到着し、私たちはそれぞれの部屋に向かった。
夕食まで1時間半ほどあるから、少し休みたい。
509と書かれたカードキーをドアに差し込み入ると、いつの間にか悟さんも後ろから一緒に入って来ていた。
「んもー、いつまでふざけてるの?」
「ふざけてないって。僕ずっと本気。」
「…。」
私は部屋を見た。
ダブルベッドだ。