第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
それは流石に悟さんが可哀想じゃないかと言ったけれど、傑さんは大丈夫と笑った。
「戻ってないふりなだけで、好きじゃないふりとか、避けたりはしなくていいからね。そこはの好きにしたらいい。好きと伝えたいなら、それは伝えたらいい。」
傑さんが何を考えているのかわからないけれど、きっと何かあるのだろうと、私は頷いた。
それに、私は悟さんに好きと伝えるつもりである。
「…悟さん、帰ってくるかな。」
「総監部のジジイどもに一喝してるんだろ。終わったらすぐ帰ってくるさ。」
家入さんはそう言ってタバコの火を灰皿に抑えつけた。
「そのせいで、悟さんの立場悪くなったりしない…?」
「しないしない。五条家当主だ。立場が変わったりはしないよ。」
傑さんに言われ私はほっと胸を撫で下ろした。
「ほら、そんな話をしてたら、悟の呪力が近付いてきてるよ。」
私はドキッとして背筋を伸ばした。
「やっほーーー!帰ってきたよーー!」
ガチャっと入ってきた悟さんは両手を上げ、元気いっぱいだ。
私は立ち上がった。
「、着替えたんだね。よかった。」
「…ご、五条さんも、おかえりなさい。」
「…?え?」
私がもじもじと言うと、悟さんは何だか戸惑っているようだった。
くくくっと笑う傑さんと、家入さん。
「?大丈夫?」
私の肩に手をやり、覗き込んでくる悟さんから私は顔を逸らした。
「大丈夫…です。あの、これ洗って返します。」
「あーいいよいいよ。」
と、私の手から上着を取ろうとしたけど、私はぎゅっと抱きしめ首を振った。
ーー…もう少し待っておきたかった。
「…洗わせてください。」
顔が熱い。
きっと赤くなってる。
「…?なんか…?え?」
首を傾げる悟さんに、私はチラッと下から見上げた。
「なんか!えっ!?なんか、可愛くない!?」