第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)
かーーっと顔がさらに赤くなってる自覚はある。
私はチラッと傑さんに助けの視線を向けた。
私には記憶が戻ったことを黙ってるのは難しいかもしれない。
悟さんにも今まで何度も言われたんだ。
私には嘘はつけないんだって。
傑さんは、にまにま笑うだけで、助けてはくれなかった。
もしかして、これが狙いだったのだろうか。
いや、まさかそんなことはないだろう。
「硝子、の怪我とかそういうのはもう平気なんだろ?」
「あぁ。まぁあとは心の問題かな。は平気とは言ってるけど。」
「大丈夫です!家の呪霊たちやハク、五条さんたちみんなに助けてもらったから…」
私は恵まれている。
心からそう思った。
だから、綱手川さんのことは、本当にそこまでつらくはなかった。
彼に少し同情したのもあるかもしれない。
ーー…未遂でよかった。
「は今からまた阿曽に帰るそうだ。」
「えっ!?」
家入さんがいうと五条さんが驚いて私の肩を掴んだ。
「今日はもう寮にいなよ。もう暗いし。」
「…でも、玄関とか開けたままだし。」
「私の呪霊に行かせよう。帰るのは落ち着いてからがいいんじゃない?」
悟さんと、傑さんに言われ私は頷いた。
実はちょっと心細かったからその方が安心だった。
「じゃあご飯でも食べて、朝まで僕と過ごす?なーーんて…」
「うん。」
「え。」
冗談のつもりだったのか、悟さんは私の返事にかなり驚いていた。
「また…一緒に映画とか観たい…です。」
「え。…えっ?」
あわあわと驚いている悟さんをみて、私はくすっと笑ってしまった。
「今度はつまらなくないのがいい。」
起きていたいから、と、私が呟くと悟さんはこくこくこくと何度も頷いた。